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体験(2022.5)

 

跡取りとしての自覚を深めた私の学び

 

群馬草津支部 山口 裕巳(46歳)

私は、祖父の代から解脱を学ぶ三世です。 今の私があるのは、霊界から祖父が私の進む べき道を示してくれたお蔭です。 私の家は、群馬県は草津温泉の湯畑から西 の河原温泉に向かう通りで、食事処「大野家」を営んでいます。 店は明治二十三年創業 で、父は四代目になります。 将来は店を継ぐ ものと思いながら育った私は、その前に少し だけ違う世界を見ておきたいという思いか ら、夢だったアメリカ行きを父に相談しまし た。 すると、父は人生勉強になるならと背中 を押してくれ、 大学卒業前に宮崎武志支部長 から当時、米国解脱教会開教師だった瀬部明先生を紹介していただいて、 サクラメント教 会に一週間滞在しました。今思えば若気の 至りかもしれませんが、「この地で少しの間、自分を磨きたい・・・・・・」と夢を膨らませた私 は、帰国後に内定していた会社を断って、英語を勉強するなど瀬部先生から頂いた渡米の ための課題に取り組みはじめたのです。

それから間もなくして、両親から「支部で 勉強をするから一緒に来ないか」と誘われ、 初めて御五法修業に接しました。 その時の父 の御修業で、 私のアメリカ行きについて祖父 から 「裕巳が行ったら、 山口家はバラバラに なる」と示されたのです。

実はこれより前に、父は私の身の振り方について、支部長に相談していたそうです。 「店の暖簾には先祖の苦労が詰まっている。 この界隈の飲食店でお宅ほど歴史のある店は ないんだよ。 店を始めたご先祖さまの思いを 汲んで、 大切な伝統は消さない方がいい」 副支部長を務める父と 支部長は青年部時代から 共に活動していたよしみ もあって、支部長は父に 率直な意見を言ってくれたそうです。

 

そして私は支部長から、「アメリカに行くまでの一年間、毎日支部でお浄め をさせてもらいなさい。そして青年部活動にも出させてもらうといい」と ご指導を頂きました。 私は祖父からのお示しを受けとめながらも、まだアメリカに行くつもり でいたので、とにかく答えを見出そうと次の日からお浄めに通いました。 また、支部長の ご長男の伊佐也さんと青年講座に参加し、 仲 間たちと奉仕活動に汗を流しました。

そして二ヵ月が経った頃のことです。 不思 議と「自分にとって成功への近道は、 アメリ カへ行くことではなく、 このまま家に居るこ とではないか」と思うようになり、そして、 家業を継ぐ決心が固まったのです。 そのこと瀬部先生にお伝えすると、先生からも励ま しの言葉を頂きました。 また、支部長から頂いた「解脱の学びと、 自分に与えられた天職は必ず両立できるよ」との言葉に背中を押さ れ、お浄めを続けながら支部行事にも参加し、 御修業を重ねる学びが始まりました。

わが家は五代前の先祖より花街としても賑 わった草津温泉で、旅館や仕出し屋など多少形態を変えながらも飲食の仕事に携わってき た家です。 中には、 料理屋として芸者を置いて商売をしていた時代もあり、御修業にて霊 動を頂けるようになると、 山口家に関係のあ る流産無縁の霊魂やその原因を作ったことへ のお詫びや供養が続きました。 また、 草津の 土地にはまだ救われない霊魂がいることを知らされ、支部の供養塔を通して土地関係の流 産無縁や、それらに縁がある女性の霊魂の供 養も行うようになりました。

私がお示しを素直に受けて行を実践するこ とができたのは、それらがすべて 私が家の 跡取りとしてわが家の伝統精神を知り、 改め るためであり、御修業はその機会であったの だと受けとめることができたからです。

大きな力に後押しを頂いて

私が御修業を通して様々な供養などを重ね ていた頃は、家業を継いで結婚を考えていたためか、不思議と女性との出会いがあった時 機でした。 結婚については、支部長夫妻から 「氏神経由だよ」とご指導を頂いており、氏神様でお相手の方とのお付き合いが相応しく 運ばれることをお願いしていました。

 

しかし、いずれの方とも結婚までには至ら ず、焦りや苛立ち、喪失感から「どうしてこ んな思いをしなければならないのか......」と 何度か心が折れそうになりました。 この気持 ちは、自分の御修業において示された霊魂の 気持ちなのだろうか、といろいろと思いを巡 らせましたが、 やがてこの辛い思いも自分が この世に生を受けているからこそ感じること ができるのだと、この経験が尊く感じられる ようになったのです。

 

そして三十歳の時に、 これまでのことが嘘のようにトントン拍子に 運ばれて、 今の妻と結婚することができまし た。 友人の紹介で知り合った妻は、有り難い ことに朝夕の勤行も、支部行事や大祭への参 加も共にしてくれて、 み教えを学ぶことを理 解してくれています。

二人の娘を授かった私たちですが、 すべて 順調とはいきませんでした。 妻が上の子を妊娠中に体調を崩してしまいました。時を同じ くして、 私は御修業で山口家に婿入りした四 代前のご先祖さまを守護していた水神様か ら、今も家を守っているのを忘れていること を知らされたのです。 出産は水の力、 水神様 の大きな働きを頂きます。 早速、支部長にご 指導を頂いて、御神前の一角に仮祭神してお 給仕し、これまでの不敬を お詫びしました。 また、支部長から妻に黒御符をお授 けいただきました。

そして、いざ出産を迎え ると死産の可能性があるこ とが分かりました。 支部長に相談して御修業をさせて いただくと、四代前の先祖さまから、出産について の心配はないこと、産まれ たら御霊地へ御礼に行くことをお示しいただき、これを待っていたかのように、 妻は長女を無事に 出産することができました。 私は父と御霊地 に参り、泣きながら金剛さまに感謝を申し上 げました。

 

また次女の時には切迫流産になり ましたが、これもまた無事に出産することが できました。 私には今まで供養をしてきた流 産無縁の霊魂が守ってくださったかのように思えてなりませんでした。支部長のご指導の通り、結婚と出産の運び は、 み教えの実践でわが家の因縁が切り替 わっていく結果の表れであり、その結果、わ が家はみ教えを中心とした安らぎのあるもの へと変わりました。

 

わが家は両親が、 群馬の 先覚者、そして支部長からご指導を頂いて学 んできた家です。 そのお蔭で、私は両親がみ 教えに合わせる姿に自然と習うことができま した。 これからも、支部会員を導く支部長の 姿を手本に精進し、店の五代目としてさらに 天職に磨きをかけ、子供たちにみ教えを伝え ていきたいです。

体験 EPISODE

 

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