体験(2022.1)
「種火を大切に護り、 親支部の支部旗を掲揚」
小樽色内支部 川端信廣(72歳)
私が解脱の縁に触れたのは、熱心にお地蔵様の信仰をしていた祖母がきっかけです。昭和三十年頃に、当時の故・播磨房江小樽中央支部長にお導きを頂き家族で入会しました。
当時はまだ小学生で、行事がある度に支部に連れられ、分からないながらも先達などのお役目にお使いいただいたことを思い出します。また、支部創設前のわが家は座談会を行っていました。そして、新堀錦三郎氏、長野貞一郎氏などからご指導を受けて、昭和三十六年に小樽色内支部となりました。
初代は父の川端勇閲が、二代目に母の恭枝が支部長を継ぎ、平成二十四年に私が三代目支部長を拝命しました。
それは、平成二十三年に母が界入りした後のことでした。これまで熱心に解説を学び、 母と共に献身的に支部を支えてくれていた弟家族が、支部を離れることになり、今後どのように支部を継続するかを会員や、姉と一緒に考えることになりました。
母が霊界入りした年が支部創設五十周年の年でもあり、私は「このまま支部を潰すわけにはいかない」と、半世紀を維持してきた重みを実感しました。そして、会員の皆さんの後押しを頂いたので、こんな私でも使ってもらえるのであればと、私は継承する決心をしたのです。
私はそれまで、仕事の関係で北海道、東北、関東などで勤務する転勤族で、ちょうど札幌に戻り三年目のことでした。東京勤務の時は、月に一度は御霊地、四谷の本部道場に足を運ぶ程度で、み教えに関しては深く学んでいませんでした。
解脱に対して分からないことの方が多かったので、できる限り六大行事や札幌道場の報恩日、感謝日に参加しました。また、北海道神宮の権禰宜さんにご縁を頂いて、「百日参りをしている方がいますよ」と話しを聞き、 私はならなんとかできるとの思いで、支部長を継承してから毎日、氏神様を参詣しました。令和三年九月九日に三千日を超え、振り返ると八年四ヵ月の月日が経過していました。今も日参を続けております。
私は現在、自宅のある札幌市から、支部のある小樽市へ通いながらお使いいただき、支部長として「会員が心地よく、アットホーム で楽しい支部」を目指しています。
次世代のために
小樽色内支部の親支部である小椿中央支部は、昭和三十五年に創立された北海道で二番目に古い支部で、当時の会員数は百人以上でした。
ところが令和二年十月に、当時の支部長が霊界入りされ、その年の十一月に支部が閉止となりました。二十数名の会員は、それぞれの道を歩み、その中から三人が色内支部に移られることになりました。
ちょうどその頃、十一月中旬から、朝となく晩となく、小樽中央支部の創立にご尽力された播磨前支部長の顔が私の脳裏に浮かぶのです。それはほぼ毎日のように、何かを話しかけてくるような感じでした。私の播磨前支部長との思い出は、四、五十年前に感謝会、子ども会、青年部などの行事でお会いする程度でしたので不思議に思いました。
令和三年度の本部布教活動方針である「霊性の浄化と、魂の覚醒を」を思い出し、これは私の勉強かなと感じられました。小樽中央支部の閉止が決定後に、播磨前支部長のお霊魂様は、支部会員が活動の拠点を失うことを心配したのか、それとも小樽色内支部への挨拶なのかは分かりませんが、とにかく何かを伝えているような感じを受けました。
そこで、当時の車康平道南教区長(函館杉並支部長)、また、北海道の地区担当の先生 に相談すると、小樽中央支部の供養札をお受けして天茶供養をするようにご指導を頂き、令和三年二月の感部会から支部会員で天茶供養を始めました。
すると今度は、二月下旬には小樽中央支部の支部旗を、車支部長の関係者が預かっていることを知りました。
ちょうど三月上旬に、修法研鑽で札幌道場に見えていた先生方や、車支部長に相談したところ、「できる限り親支部が復活できるような体制を整えていくことです。親支部が復活できるよう種火を大切に護り、ご供養を続けていくこと」と勉強を受け、親支部が復活することを願いながら、共に学び、共に歩むことにいたしました。この指導を受けてから支部感謝会では、小樽中央支部と小梅色内支部の支部旗二本を掲揚することとなり、新しい感謝会を実施しております。
せっかく二支部が一つとなったので、新しい活動として考えたのが「北前船」の特別ご供養でした。 北前船とは、江戸時代中期から明治、大正にかけて、蝦夷地(北海道)と大阪を日本海周りで往来した商船群です。北海道の小樽、 岩内、江差、松前、函館を経て、東北、北陸、関西の港と港を繋ぐ北前船は、人、モノ、文化、巨大な富を運び、各地域の発展に大きな役割を果たしてくれた商船群で、それに対して感謝をする為です。
私は、車支部長に相談しながら、小樽地域の小樽花園支部、小樽色内・中央支部、また函館杉並支部の三支部が連携した特別供養の北前船感謝祭を昨年十月の支部創立六十周年の感謝会に真心からの感謝、御礼を込めた天茶供養を執り行いました。(ニュースレター令和三年十二月号に掲載)
今回、小樽中央支部より小樽色内支部に移られた三人の会員は、数十年の長きに亘り、金剛さまの教えを学んでいる方々です。特に、 岩内支部、道場会員、小樽中央支部を経て、小樽色内支部が四支部目となる会員は、八十七歳にもかかわらず、北海道岩内市からバスで一時間半かけて支部に通われております。
その熱心に学ぶ姿勢は小樽色内支部の会員の刺激になり、活性化に繋がっています。
小樽色内・中央支部として、支部会員、小樽地域の方々、北海道民の安泰、豊楽、幸福を願い続け、そして人心救済、世相善導のために努めていきたいです。
また、いつか親支部が復活する日のために、支部旗の掲揚、会員各家の先祖供養を続け、 そして、これからは種火を絶やさずに、一日でも長く支部を続けることを使命として邁進いたします。