top of page

支援物資の話

​支援物資を届けたいが・・・

災害が発生し「会員さんや知人宅に被害があった」となった場合「どのタイミングで伺えるか?」を真っ先に考えます。そして次に「何か足りない物があればお持ちしたい‼」となります。少しでもお役に立てれば・・・という純粋な思いで動くのですが、この支援物資の難しさを私たちは毎回のように痛感させられます。その理由は・・・

・何が必要なのか?を被災された方に直接お聞きする事が出来ない→そもそも電話が繋がらない事も多いのですが、何よりも「○○が欲しい、持って来て欲しい」とはそうそう言えません。自分が逆だったらやはり言えない、と思ってしまいます。そうした理由から、まずは被災地に近しい方(無事が確認できている方)と連絡をとります。

・届けるタイミングにより内容が変わる→「飲料水が不足している」と言う情報の元、約2tもの水を集めましたが、届けた時には「既に飲料水が溢れ返っていた」と言う知人がいました。被災地では何度も溢れかえる物資に困り果てた姿を目にして来ました。足りない物は刻一刻と変化していきます。届けるタイミングが大変重要になります。

・災害の場所や種類によって内容が変わる→飲料水やガソリン、電池式携帯充電器など共通する物資もたくさんありますが、水害時はタオルや衣服、風害ではブルーシートや土嚢袋、停電時は発電機やカセットコンロ、断水の時はポリタンクなど災害の種類で異なる場合も多くあります。また発電機は騒音や排気の問題もあり住宅街では使えない事もあります。

・数の過不足が問題になる→「避難所に物資を」となった時に「200個以上であれば是非お願いします」と言われた事がありました。避難している方へ不公平が出ると大問題になるためです。もちろん多過ぎるのもまた迷惑です。「たとえ余っても申し訳なくて簡単には捨てられない」と言う気苦労を被災された方に強いる事になります。

・配りたいが配れない→間に入って頂ける方に支援物資は受け取って頂きましたが「電話が不通で被災者全員の所在がわからない」、また「届けるための人がいない」と言う話を後日聞いた事があります。間に入って受け入れて下さる方々への負担も大きいと言う事を痛感しました。

・物資の調達が難しい→災害発生時から現地へ向かうまで、早い時は「2日後」という場合もあり、災害に合わせた物資を調達する事が難しい事が多くあります。車に積める量も限られていますが、ホームセンターや電気屋など数軒を回らないと数が揃わない物資もあり、時間との戦いになります。かと言って事前に買い溜めしても備蓄する場所が無かったり、ニーズに合っていなかったりで、それもやりきれないのが実態です。

・交通手段がない→地震の時は高速道路が通行止め、最寄の場所に飛行機が飛ばない、と言う状況になります。遠回りなどして向かいますが、今度は現地での交通規制などで被災地に入れない場合もあります(行方不明者捜索のためボランティアなども入れない)。タイミングが大事な支援物資ですが、交通機関の乱れや規制も壁になります。

・その他に→衣服や下着は数だけでなくサイズや季節感も踏まえる必要があります。また被災された方の事情に合わせ、おむつや生理用品、介護用品が必要な場合もあります。食べ物は痛んでしまう可能性があるため選択が難しくなります。

​それでも届けたい・・・

これだけの難しさがある中、それでも支援物資を届ける事を諦めてはいけないと思っています。ご迷惑をおかけするかも知れない、捨てられるだけかも知れない、嫌な顔をされるかも知れない…それでも私たちは可能な限り「支援物資」を届けたいと思っています。それは、純粋に「お役に立てる物資が少しでもあれば…」との想いが一番にあるからですが、同時に「被災された方に会える大切な機会」にもなるからです。

 

被災された方々は誰かの手を煩わせてしまう、危険な目に合わせてしまう、と言う思いから「来て欲しい」とは誰も言いません。きっと私達自身が被災してもやはり言えないと思います。でも、それではどんな状況なのか、どんな思いをされているのか、全くわかりません。足を運ばなくては何も掴めません。実態は見えません。

 

だからこそ、支援物資を届ける事で足を運ぶことが出来る、被災された方々に会えて、ほんの少しでもお気持ちを知ることが出来ます。そこから次の行動が決まると実感しています。ただし、被災された方々へのご負担がないように、心労に感じない形で、身勝手な善意の押し売りにならないように精一杯の心くばりをする事を大前提に考えます。これからも皆様から頂いた貴重な支援金を活かし、難しいけれど大切な支援物資を届けられたらと思います。

​支援物資リスト

これまでどのような物をお届けしたのか参考として載せます。

・飲料水・パン・カップ麺・粉みそ汁・煎餅・カセットコンロ・ガスボンベ・折り畳み式ポリタンク・紙皿・割り箸・紙コップ・サランラップ・アルミホイル・ティッシュ・ウェットティッシュ・トイレットペーパー・ビニール袋・ゴミ袋・タオル・アルコール除菌液・携帯トイレ・液体歯磨き粉・ドライシャンプー・生理用品・おむつ・おしりふき・洋服・下着・電池式携帯充電器・電池・車用充電器・ポケットラジオ・ヘッドライト・スコップ・バール・ブルーシート・軽油・ガソリン・ガソリン用携行缶・発電機

※全てではありませんが、上記の物資が防災対策の参考になると思います。

bottom of page